マスコミでも格差社会が頻繁に取り上げられ“下流社会”という言葉もよく使われるようになった。しかしながら、その言葉の発信源であるベストセラーの新書「下流社会」のバカバカしさには正直、まいった。
著者三浦 展自身が巻末に述べているように、この本に書かれたている事は非常に乏しいデータを元に、それも東京近郊のデータ、年収と意識調査によって“下流”“中流”“上流”と分け、それぞれのクラスに属する人たちの“欲望調査”なるものから、各クラスの人々の性格付けをしているだけで(それもつまらない)、なんらジャーナリティック意義も見出せない。
勿論、アカデミック意義など毛頭ない。
また、最後になって陳腐な提言をつらづらと書きつづっているが、本書には明らかに一部職種に対する著者三浦 展の差別的意識が垣間見られる。またいわゆる“下流社会”に対するエリートであろう著者三浦 展の差別的意識も垣間見られる。
本書は、単に“下流社会”に属していないと考えたがる人達の為の“ああ、下流はどうしようもないなあ”と思いたいための本である。
はっきり言ってこんな本を出版させた編集者の見識を疑う。
ただ、著者三浦 展の「商品を安く売れば儲かるという時代は去り、消費者はよりよい物には高価でも購入するようになった。」という分析だけは注目に値する。
僕は、本書で提示されている“年収はそこそこでいい、自分らしい生活をしたい”と考える人達に希望を見る。
いいかげん、経済中心が国の発展、人々の幸せにつながるという日本人の頑なな発想を転換してもらいたい。
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こちらの本は詳しい内容は忘れてしまいましたが、幾つかのデータを元にタイトルどおり若者が社会的弱者に転落する事を危機感を持ちながら真面目に論でいました。
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