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「Web2.0でビジネスが変わる」~新しいビジネスモデル~

Web2.0という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
この言葉は、インターネットの世界のみならず、最近、あちこちの雑誌で取り上げられるようになり、新しいビジネスも出るとして受け入れられつつあります。

本書は、そんなWeb2.0について書かれた本です。

具体的には、Web2.0とは何かから始まって、現在のテレビCMの限界、ブログ、SNS、ポッドキャストについて、Web2.0が提唱するものを一般ビジネスに応用するとどうなるか、著者自身のWeb2.0的なニッチな職歴、Web2.1への宿題について書かれています。
Web2.0でビジネスが変わる
Web2.0でビジネスが変わる
神田 敏晶
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まずWeb2.0とは何かについて紹介しますと

Web2.0のコンセプトは、プログラマー向けの書籍を出版するオライリーメディアのティム・オイライリー氏が、新しいウェブサービスをテーマにしたカンファレンスを企画するために考えついたものです。

その原則とは
1.プラットフォームとしてのウェブ
ウィンドウズかマッキントッシュかというOSの違いを気にする必要はなく、ウェブにアクセスさえできれば、いつでもどこでも誰でも使えるサービスを指す。

2.集合知の利用
集合知とは、一握りの専門家の叡智よりも、普通の人々の集団において、大多数が正しいと判断したことの方が案外適切な結果が導き出されるという考え方。

3.データは次世代の「インテルインサイド」
良質な大量のデータをユーザーに提供できるサービスこそがユーザーに価値を提供できるということ。

4.ソフトウェアリリースサイクルの終焉
ウェブで提供されるアプリケーションは「サービス」であり、パッケージ化された「製品」ではない。ウェブサービスは、絶えずアップデートされ続ける「永遠のベータ版」であるということ。

5.軽量なプログラミングモデル
高度で複雑なプログラミングに拠らず、単純で軽量なソフトウェア群によって低コストに構築されたサービスであるということ。
これにより、ユーザーがより便利なものに作り変えたり、他のサービスと統合してまったく新しいサービスを生み出す「マッシュアップ」が可能になる。

6.単一デバイスの粋を超えたソフトウェア
プラットフォームがパソコンだけに限定されることなく、携帯電話やPDA、デジタル家電など、パソコン以外のさまざまなデバイスにも提供され、いろんなところで使えるようなサービス。

7.リッチなユーザー体験
Ajaxなど新しい技術を背景に、高速、グラフィカル、双方向性といった、ユーザーに快適さをもたらしてくれるサービス。

とりあえず、1~7のどれか一つに当てはまれば、そのサービスは2.0的といえる。

革新的なウェブサービスを提供し続けるグーグルやアマゾンは、Web2.0的企業の代名詞のように扱われている。

ようはWeb2.0的ビジネスとは、“企業からユーザー主体へ”ということです。また、趣味を仕事にするというアフィリエイトもWeb2.0的です。

ここからは、既存のテレビ広告による宣伝とWeb2.0的広告宣伝を考えていきましょう。

消費行動のプロセスで、情報を媒介する「メディア」が重要な働きを果たすのはいうまでもないが、Web2.0の時代では、その主たる担い手が、マスメディアからブログや掲示板などに取って代わられつつあるというのがWeb2.0的時代です。

調査したところによると、人は、1日に、無数の企業の宣伝を見ていますが、記憶に残っている企業の宣伝とは、ほとんどないに等しいそうです。
(これは、アメリカの調査らしいですが)

そんな「効果のない」宣伝のために企業は膨大なお金をつぎ込んでいるという。
皆さんもテレビで覚えている宣伝とその商品を結びつけて記憶している方は、どれくらいいらっしゃるだろうか?

高いお金を払ってまで、視聴率の高い番組のCMで自社の広告を垂れ流して、果たしてどれだけの実効効果があるというのだろうか?

せいぜい企業イメージの宣伝になるだけではなかろうか?
それに、視聴者の多くはHD付のDVDレコーダーを持って、CMスキップしている時代だというのに!

それよりも、ターゲットを絞ったアフィリエイトによるクリック課金をするというWeb2.0的ビジネスモデルの方がよっぽど、実効効果がありそうに思えるのですが、皆さんはいかがですか?

これからの時代は“マス”ではなく“ニッチ”なWeb2.0的ビジネスに移行していくだろう。
ロングテール理論を有名にしたAmazonの売上の約3分の1が、非常に売上の少ない本の売上の集積であるというように。
ここに、「週末起業」と騒がれているように、個人のビジネスが入り込む余地があります。

Web2.0時代にいきぬく企業とは
しかし、このWeb2.0的ツールでは、企業の商品の良い面ばかり宣伝してくれる訳ではありません。
実際に購入した人が、その企業の商品のネガティブな事を書くということも、よく見られる事です。

これからのWeb2.0の時代においては、企業は、このネガティブな書き込みを、自社製品をより良く改良しようという方向に持っていくのか、その書き込みを否定しよう問ういう方向に持っていこうとするかによって、Web2.0時代の企業の真価が問われるのではなかろうか?

いずれにせよ「主体が企業から消費者への」流れはもう誰に求められません。


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