ベストセラーになった本書を手にしてみた。
順番としては、この間、紹介した神田敏晶著「Web2.0でビジネスが変わる」を後に読むべきだったのですが。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫
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著者・梅田 望夫
1960年生まれ。慶応義塾大学工学部卒業、東京大学大学院情報科学科修士過程終了後、94年にシリコンバレー在住。
97年にコンサルティング会社、ミューズ・アソシエイツをシリコンバレーで創業。
2000年には岡本行夫氏らとベンチャーキャピタル、パシフィカファンド設立し、05年3月より㈱はてな取締役就任し、IT分野の知的リーダーとして若い世代から圧倒的支持を集めているそうです。
ブログ:
My Life Between Silicon Valley and Japan本書は、「あちら側」(ネット世界)にいる著者が「あちら側」(ネット世界)に生きる人と「こちら側」(リアル世界)に生きるの人達を取り持つ形で「あちら側」(ネット世界)で起こっている事を「こちら側」で生きる人のため書かれています。
サンタフェ研究所のブライアン・アーサー(複雑系経済学のパイオニア)は、2004年に「経済はどこに向かうのか」というテーマの講演を行った。
そこで、彼は、情報革命を五つの大革命のうちの一つだと彼の歴史観に位置付けた。
第一、英国で起きた産業革命
時期はあいまいだが、1780年から1830年。紡績機械分野で、主に水力による工場システムである。
第二 同じく英国で起こった鉄道革命
1830年から1880年。蒸機動力の時代。
第三 ドイツに移り、電動機と鉄鋼のような重工業分野で起こった革命
第四 米国が先駆者となった製造業(マニュファクチャリング)革命
1913年(T型フォード大量生産開始)から1970年代まで。大量生産、自動車産業の成立。石油の時代。
第五 1960年代に米国で緒についた情報革命
ARPANET(米国防総省の高等研究計画局[ARPA]が導入した、インターネットの原型となったコンピュータ・ネットワーク)発祥は1969年。
最初のインテルチップが開発されたのが1971年。
その革命は今も続いている。
そして彼は、情報革命は、筋肉もエネルギーも供給しない。供給するのは神経系である、最も重要な転換であるとする。
その情報革命において「インターネット」「チープ革命」、リナックスに代表される「オープンソース」の次の10年への三大潮流 によって、「ネット世界の三大法則」が確立されようとしていると著者・梅田 望夫は、述べています。
・ネット世界の三大法則
第一法則:神の視点からの世界理解
第二法則:ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる新しい経済圏
第三法則:(≒無限大)X(≒ゼロ)=Something、あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積
第一法則の「神の視点」とは、「全体を俯瞰する視点」のことです。
具体的には、検索エンジン提供者は、世界中のウェブサイトに「何が書かれているのか」ということを「全体を俯瞰する視点」で理解することができる。
同時に、世界中の不特定多数無限大の人々が「いま何を知りたがっているのか」ということも「全体を俯瞰する視点」で理解することができるわけです。
第二法則の「新しい経済圏」とは、グーグルアドセンス、アフィリエイトなどを指します。
グーグルアドセンスとは、僕のどの記事の下の方に、なんか文字(テキストリンク)があるのをお気づきでしょうか?
これが、グーグルアドセンスです。
記事、HPの内容に適した文字(テキストリンク)を自動的に表示させる広告です。
クリックすると、文字(テキストリンク)サイトに飛び_、サイト管理者に、わずかばかりの金が入るしくみです。
第三法則は、従業員1万人の企業の社員が丸1日フルに働くのと同じ価値を、ひょっとしたら一億人の時間を三秒ずつ集めることが出来るかもしれないというものである。
その他、本書では「知の世界の秩序」再編を目指す「10年に一度現れる特別な企業」グーグル、ネット世界でのみ起こる「ロングテール現象」、ブログ、Amazonの挑戦、新たな集合知であるネットの百科事典「ウィキペディア」、mixiなどのソーシャル・ネットワーキングなどWeb2.0を理解するのに必要な事柄について解説されている。
「ロングテール現象」だけを説明しておくと
縦軸に売れた部数を取り、横軸に例えば、本の題名をとり、売れた順に一冊ごとに棒グラフを連ねていく。
すると、右側にベストセラーの長い棒グラフが存在し、その後、徐々に棒グラフは減少し、左側には永遠に続くかと思われる“売れていない本”の棒グラフが続き、あたかもグラフは、恐竜を横から見たシルエットのようになる。
この左側の恐竜の尻尾にあたる「永遠に続くかと思われる“売れていない本”の棒グラフ」は、とてもリアル店舗では扱いきれないし、扱っても売上に全く貢献しない“お荷物”的存在でしかないが、Amazonの売上の約半分は、この“恐竜の尻尾”「ロングテール」ではないかとされている。
感想「こちら側」(リアル世界)に生きるの人達のために書かれた本であるためか、扱っている話題は、はずしていないのですが、どうも僕には教科書的に感じ、新鮮な面白みを感じることも出来ませんでした。
また、明らかに神田敏晶著「Web2.0でビジネスが変わる」の方が、Web2.0の真髄に迫ってたのも事実です。
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