靖国問題でまたクローズアップされているためか、マルクス史観からやっと解き放たれたのか、憲法改正が具体的な政策課題として提出されているためか、新たに先の大戦、第二次世界大戦をどうとらえようかという議論が活発です。
本書「あの戦争は何だったのか」は、サブタイトルに“大人のための歴史教科書”を掲げ、保坂正康氏が「あの戦争は何を意味して、どうして負けたのか、どういう構造の中でどういうことが起こったのか」を明らかにするために書かれた本である。
しかしながら、結論から述べると、新書という制約があるにしても、本書は“大人のための歴史教科書”になり得ていない。
まず、巻末にもどこにも参考図書や引用書籍がかがげられていない。時折、当時の政府高官から取材して、聞いたという話が織り込まれるが。
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